肝臓・感染症
当グループの紹介
肝臓領域ではC型慢性肝炎に対するインターフェロンフリー治療、B型慢性肝炎に対する核酸アナログ製剤による治療に加え、原発性胆汁性管炎、自己免疫性肝炎、脂肪性肝疾患の診断と治療などを行っています。
感染症領域では全科からコンサルテーションを受け対応しています。またInfection Control Teamの一員として院内感染防止対策にも取り組み、疫学調査、手指衛生の徹底、抗菌薬の適正使用なども行っています。
呼吸器グループに属し、入院患者さんへの対応も行なっています。
当グループの特色
平成30年度から施行された内科専門医制度に則り、人間味に溢れ知的好奇心を持つ内科専門医を育成します。サブスペシャリティ領域で肝臓専門医、消化器病専門医の取得を指導します。
感染症は横断的であるため、サブ・サブスペシャリティ領域で感染症専門医取得を指導し、感染症学に強い肝臓内科医や消化器内科医のみならず、感染症学に強い循環器内科医、血液内科医、腎臓内科医、呼吸器内科医、内分泌代謝・糖尿病内科医を育成します。
また大学院主科目「肝臓免疫代謝学」を主宰し、学位論文の指導も行っています。
あつかう疾患
1) 肝疾患領域
ウイルス性慢性肝炎と自己免疫性肝疾患の診断と治療、脂肪性肝疾患を通じたメタボリックシンドロームの診療に力を入れています。急性肝炎、肝硬変、肝腫瘍の診療は消化器内科が主体で行い、当グループも協力しています。
2) 感染症領域
細菌、ウイルス、真菌による感染症の診療、加齢や糖尿病によるcompromised hostの感染予防などを行っています。またInfection Control Teamの一員としてカテーテル関連血流感染症や針刺し事故の対策、疫学調査、抗菌薬の適正使用などに取り組んでいます。
3) 総合内科領域
カンファレンスを通じ他のグループと協調してプライマリケアの実践、高齢化社会おけるフレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアの対策、さらにリハビリテーション科と帝京大学老人保健センター慈宏之里と共に総合支援体制の構築にも努めています。
研究について
1) 臨床医の研究は、1人の患者さんの診療から始まる。
研究は臨床的疑問の解決手段です。患者さんを診察しプロブレムリストをあげ、上級医の指導、カンファレンスでの議論、文献検索により解決して行く、そのような日々の職務から臨床研究は始まります。
2) 臨床研究とは?
臨床研究には観察研究(症例報告、症例対照研究など)と介入研究(ランダム化比較試験など)があります。それらを通じて臨床医の実力をアップしていくことができます。臨床研究を進めていくと、その疾患がどこまで解明されているのか、何が分かっていないのかが判明します。それが臨床の壁です。
3) 基礎研究とは?
臨床の壁を打破するためには基礎研究が必要です。大学院生は臨床研究のみならず基礎研究にも携わり、学外の研究者とのミーティングにも参加し多くの刺激を受け、研究成果を学位論文にまとめることで新たな検査・治療を生むことができ、自身も幅広い視野を持った臨床医になることができます。学位取得はゴールではなく新たなスタートです。「僕は、私は、帝京大学で何をやった。」という誇りを胸に持ち、社会に貢献する医師になって欲しいと思っています。
4) 肝臓免疫代謝学の研究内容
当院に自己免疫性肝疾患の教室を築いた宮川 浩先生の研究を継承し、帝京大学大学院医学研究科において器官系統病態学分野「肝臓免疫代謝学」を主宰しています。肝臓・感染症だけではなく内科学領域の全般を免疫学的・代謝学的アプローチにより研究しています。