循環器内科|帝京大学医学部附属溝口病院第四内科

〒213-8507 川崎市高津区二子5丁目1番1号

044-844-3333(代表)

循環器内科

循環器内科

当グループの紹介

当グループのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
当科は医学部の講座として第四内科に属しながら、「循環器内科」を標榜し、非常勤医師を含む8名の体制で診療を行っております。特殊な疾患や特定の分野に偏ることなく、幅広い循環器診療を提供しています。

毎年、急性冠症候群に対する緊急冠動脈インターベンション約50例を含む血管内治療を150〜200例、ペースメーカー植え込み術を約40例、不整脈に対するアブレーション治療を約50例行っております。また、心不全に関しては年間約200例の入院治療実績があります。

心疾患治療の重要な柱である心大血管リハビリテーションについては、リハビリテーション科との協働のもと積極的に導入しており、外来での心大血管リハビリテーションは年間約1,500〜2,000件と、川崎市内でも有数の実績を誇っています。

地域の皆様に、標準的で安全な循環器診療を安心して受けていただけるよう、スタッフ一同、日々研鑽を重ねております。

当グループの特色

当グループでは心疾患の診療にとどまらず、それを支える多様な取り組みを通じて、より良い未来の医療の創造に努めております。

1.重症心疾患への対応強化

緊急対応力の向上を目的に、定期的にシミュレーション訓練を実施しています。その成果は、医師・看護師・医学部学生によって学会やシンポジウムで発表され、さらなる質の向上を目指しています(図1)。

2.多職種連携による啓発活動

日本循環器協会、日本心臓財団と連携し、心疾患に関する啓発活動を多職種で展開しています(https://www.kenko810.com/event2023/entry/interview/ またはGoogle, Yahoo!で、#健康ハートの日 #患者さんとご家族へのインタビューで検索)。

3.冠動脈イメージングを用いた研究推進

冠動脈疾患の治療成績向上を目指し、冠動脈イメージングを活用した臨床研究を積極的に推進。院内症例の分析から国際共同研究に至るまで、幅広く成果を論文化しています(図2)。

4.次世代人材の育成

過去5年間で、4名が循環器専門医、1名が心大血管インターベンション認定医、1名が専門医資格を取得し、2名が学位を取得しました。
メディカルスタッフでは、4名が心大血管リハビリテーション指導士、3名がインターベンションエキスパートナース、1名が心不全療養指導士、7名がICLSインストラクターとなり、心電図検定にも多数が合格しています。

5.研修医教育への注力

研修医教育にも力を注いでおり、指導医として高く評価されています(図3)。

6.医療従事者自身の健康管理

医療者自身も登山やランニングなどを通じて、心身の健康維持に努めています。

重症心疾患への対応強化
冠動脈イメージングを用いた研究推進
研修医教育への注力

主に扱っている疾患

急性心筋梗塞・急性冠症候群

突然の胸痛、背部痛、みぞおちの痛みは、急性心筋梗塞やそれに準じる状態(急性冠症候群)が原因の可能性があります。当科では緊急冠動脈インターベンションを行い、予後の改善に努めています。
病変が複数ある場合は、後日に再治療が必要になることもあります。

労作性狭心症

運動時の胸痛は、労作性狭心症によることがあります。冠動脈CT、負荷心電図、心臓カテーテル検査などを通じて評価し、薬物療法・カテーテル治療・バイパス術など、患者さんに最適な治療法を提案します。
狭窄が認められない場合でも、CFR(冠血流予備能)やIMR(冠微小血管抵抗指標)などを評価し、診断・治療方針を検討します。

冠攣縮性狭心症

夜間や早朝の安静時に胸痛が繰り返し出現し自然に軽快する場合は、冠攣縮性狭心症の可能性があります。確定診断にはアセチルコリン負荷による冠動脈造影を行う場合があります。

心不全

息切れや下肢の浮腫などは心不全によることがあります。薬物療法と並行して基礎疾患の精査・治療を、外来・入院の両方で行っています。
 近年注目されているトランスサイレチン型心アミロイドーシスについては、ピロリン酸心筋シンチによる検査が可能です。

不整脈

動悸や失神が不整脈に起因する場合、原因の特定とともに、ペースメーカー植え込みやアブレーション治療を適切に行っています。

急性肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)

突然の呼吸困難は肺血栓塞栓症の可能性があり、重症例には血栓溶解療法を行っています。

閉塞性動脈硬化症

歩行時のふくらはぎの痛みが休むと改善する場合は、この疾患が疑われます。薬物療法やリハビリテーションに加え、必要に応じて血管内治療を行います。

高血圧

3剤以上の降圧薬を必要とする、いわゆる難治性高血圧では、二次性高血圧の可能性を考慮する必要があります。内分泌・代謝グループや腎臓グループと連携しながら、診断および治療にあたっています。

ご紹介をご検討いただきたい患者さん

以下のような患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひご紹介をご検討ください。

  • 胸痛、背部痛、呼吸困難などの胸部症状を有する方
  • 浮腫やチアノーゼを伴う下肢症状のある方
  • 原因不明の失神を繰り返している方
  • 心房細動アブレーションを希望される方
  • 抗血栓薬や心不全薬の調整にお困りの方
  • 心臓手術後の長期フォローアップをご希望の方
  • 心臓リハビリテーションに興味のある方
  • 動脈硬化リスクの管理に難渋されている方

ご紹介いただいたあとの対応について

当院での治療終了後は、原則として貴院での診療を再開していただくことを目的に、逆紹介をさせていただいております。

ただし、病状や治療内容によっては逆紹介の時期が前後する場合や、患者さんのご希望や生活環境の変化により、逆紹介が困難となるケースもございます。あらかじめご理解賜りますようお願い申し上げます。

現在循環器グループでは、共に働く医師を広く募集しております

シニアレジデント(専攻医)の募集は、病院ホームページの職員募集をご覧ください。また、専門研修を修了された先生方につきましても、上記の診療方針にご賛同いただける方であれば、年齢やご経歴を問わず歓迎いたします。ご興味のある方は、お電話(病院代表:044-844-3333から、内科医局へ)にてお問い合わせいただければ幸いです。

業績

定期刊行書(学術雑誌)

英文論文

  • Nakamura M, Suzuki N, Fujii K, Furuya J, Kawasaki T, Kimura T, Sakamoto T, Tanabe K, Kusano H, Stockelman KA, Kozuma K.
    The Absorb GT1 Bioresorbable Vascular Scaffold System - 5-Year Post-Market Surveillance Study in Japan.
    Circ J. 2024 May 24;88(6):863-872.
  • Suzuki N, Yokoi T, Kimura T, Ikeda Y, Takahashi S, Aoyagi T, Shiratori Y, Hayami N, Kozuma K.
    Prediction of Slow-Flow Phenomenon After Stent Implantation Using Near-Infrared Spectroscopy in Patients With Acute and Chronic Coronary Syndrome.
    Circ J. 2024 May 24;88(6):972-979.
  • Yuki Obayashi, Masahiro Natsuaki, Hirotoshi Watanabe, Takeshi Morimoto, Ko Yamamoto, Ryusuke Nishikawa, Akiyoshi Miyazawa, Nobuaki Suzuki, Satoru Suwa, Hidekuni Kirigaya, Kohei Wakabayashi, Kazuya Kawai, Yuko Onishi, Itsuro Morishima, Hideki Okayama, Hiroki Uehara, Kiyoshi Hibi, Koh Ono, Takeshi Kimura; STOPDAPT-3 Investigators
    An aspirin-free strategy and optical coherence tomography observations after percutaneous coronary intervention: Insights from the STOPDAPT-3 trial
    J Cardiol. 2024 Nov;84(5):342-344.
  • Kimura T, Kikuya M, Asayama K, Tatsumi Y, Imai Y, Ohkubo T.
    Home Pulse Rate Before and During Antihypertensive Treatment and Mortality Risk in Hypertensive Patients: A Post Hoc Analysis of the HOMED-BP Study.
    J Am Heart Assoc. 2024 Dec 17;13(24):e037292.

和文論文

  • 青柳 貴、鈴木伸明、速水紀幸
    冠動脈ステント植え込み症例におけるプラーク性状と血管内皮機能の関連性と急性期および慢性期の臨床イベントに及ぼす影響についての検討
    帝京医学雑誌 2024; 47: 83-93.

単行書(著書・訳書・研究報告など)・
総説

  • Nobuaki Suzuki
    Exploring the best strategy for true bifurcation coronary diseases to avoid a "fall between two stools".
    Catheter Cardiovasc Interv. 2024 Apr;103(5):817-818.

学会発表(口頭・ポスターなど)

  • 浅沼 大地,鈴木 伸明,澤邉 昌史,原 悠花里,長谷部 清貴,原 元彦
    80歳以上の高齢者に外来心大血管リハビリテーションが及ぼす身体機能の変化
    第30回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 2024年7月
  • 池田佳之、鈴木伸明、星野裕明、横井樹、木村隆大、高橋慎司、青柳貴、白鳥宜孝、河原﨑宏雄、浅沼大地、澤邉昌史、原悠花里、原元彦、島充、山﨑京、恵木立、上妻謙
    外来心大血管リハビリテーションにおけるトレーシングレポートを用いた院外薬局との連携に関する検討
    第30回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 2024年7月
  • Jonas Dominik Häner, Masanori Taniwaki, Ryota Kakizaki, Yohei Ohno, Kazuyuki Yahagi, Yoshiharu Higuchi, George C.M. Siontis, Kenji Ando, Stefan Stortecky, Nobuaki Suzuki, Laura Morf, Naoki Watanabe, Jonas Lanz, Yasushi Ueki, Tatsuhiko Otsuka, Flavio G. Biccirè, Masami Sakurada, Sylvain Losdat, Lorenz Räber
    Long-term effect of biodegradable versus durable polymer drugeluting stents on neoatherosclerosis among STEMI patients: The international CONNECT randomized controlled intracoronary OCT trial
    ESC congress 2024 2024年8月
  • 星野裕明、横井樹、木村隆大、池田佳之、髙橋慎司、青柳貴、白鳥宜孝、鈴木伸明
    転移性心臓腫瘍による完全房室ブロックを呈した肺腺癌の一例
    第72回日本心臓病学会学術集会 2024年9月
  • 渡辺孝章、山﨑京、星野裕明、横井樹、木村隆大、池田佳之、髙橋慎司、青柳貴、白鳥宜孝、鈴木伸明
    当院におけるextracorporeal cardiopulmonary resuscitation(E-CPR) の臨床成績について
    第72回日本心臓病学会学術集会 2024年9月
  • 青柳 貴、星野 裕明、横井 樹、木村 隆大、池田 佳之、高橋 慎司、白鳥 宜孝、鈴木 伸明
    短期間に冠動脈狭窄の進行を来した家族性高コレステロール血症の1例
    第64回日本心血管インターベンション治療学会関東甲信越地方会 2024年10月
  • 鈴木伸明
    残された課題の克服と未来〜不安定プラーク治療介入〜
    第37回日本冠疾患学会学術集会 2024年11月
  • 田村直輝、星野裕明、横井樹、木村隆大、池田佳之、髙橋慎司、青柳貴、二川圭介、白鳥宜孝、鈴木伸明
    血管撮影室での心停止シミュレーションにおける胸骨圧迫比率に影響する因子ついての検討
    第275回日本循環器学会関東甲信越地方会 2025年2月
  • Naoki Tamura, Hiroaki Hoshino, Tatsuru Yokoi, Takahiro Kimura, Yoshiyuki Ikeda, Shinji Takahashi, Takashi Aoyagi, Keisuke Futagawa, Yoshitaka Shiratori, Nobuaki Suzuki
    Realtime Behavioral Goals for Obtaining Better Chest Compression Fraction at Cardiopulmonary Resuscitation
    第89回日本循環器学会学術集会 2025年3月